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フランスを代表する美しい古城が点在する「ロワール渓谷」。
その中でも、フランス王家と深い関わりを持ち、フランス・ルネサンスの歴史を語るうえで欠かせないのが、アンボワーズ城(Château Royal d’Amboise)です。
ロワール川を見下ろす高台に建つ白亜のお城は、かつてシャルル8世やフランソワ1世など、歴代のフランス王たちが暮らした場所。
さらに、フランソワ1世によってフランスへ招かれたレオナルド・ダ・ヴィンチとも深い縁があり、城内のサン=ユベール礼拝堂には現在、レオナルド・ダ・ヴィンチの墓があります。
華やかな王宮の歴史、ルネサンス芸術、そしてロワールの雄大な景色を一度に楽しめるアンボワーズ城をご紹介します!
目次
1:アンボワーズ城ってどんなお城?
アンボワーズ城は、ロワール川沿いの町アンボワーズの中心、高台に建つ王城です。
中世には要塞として利用されていましたが、15世紀後半、シャルル8世の時代に大規模な改築が行われ、華やかな王宮へと姿を変えていきました。
シャルル8世はイタリア遠征を経験し、そこで目にした建築や庭園、芸術文化をフランスへ持ち帰ります。そのためアンボワーズ城には、フランス中世のゴシック建築と、当時新しかったイタリア・ルネサンスの影響が共存しています。
いわば、中世からルネサンスへとフランス文化が変化していく時代を体感できるお城です。
そしてもう一つの魅力が、その立地。
城のテラスからはアンボワーズの街並みとロワール川を一望することができ、建物だけでなく景色もアンボワーズ城の大きな見どころです。公式サイトでは360度の眺望も城の特徴として紹介されています。
2:アンボワーズ城の歴史
アンボワーズ城が大きく発展したのは15世紀。
ルイ11世はアンボワーズに王妃シャルロット・ド・サヴォワと子どもたちを住まわせ、後の国王シャルル8世も1470年にアンボワーズで生まれました。
1483年に即位したシャルル8世は、自らが育ったアンボワーズ城を愛し、それまでの中世の城塞を壮麗な王宮へと大改築します。
特に大きな転機となったのが、シャルル8世のイタリア遠征です。
イタリア文化に魅了された王は、帰国後、イタリアから芸術家や職人たちを招き、建築や庭園に新しい様式を取り入れました。
続くルイ12世の時代にも工事は続けられ、さらにアンボワーズで育ったフランソワ1世の時代になると、城はフランス・ルネサンスを象徴する場所の一つとなります。フランソワ1世は芸術を積極的に保護した王として知られ、1516年にはレオナルド・ダ・ヴィンチをアンボワーズへ招いています。
16世紀後半になると王がアンボワーズに滞在する機会は徐々に減り、城は王宮としての中心的役割を失っていきました。
その後も城は時代によってさまざまな用途に使われ、建物の一部は失われましたが、現在もシャルル8世時代を中心とした建築が残されています。公式サイトによれば、現在残る建物にはシャルル8世による建築部分が従来考えられていた以上に多く含まれていることが、近年の調査によって明らかになっています。

3:ここは見逃せない!アンボワーズ城の見どころ
王の居館(Logis royal)
城の中心となる建物です。
内部では、ゴシックからルネサンスへと移り変わっていく建築様式を見ることができます。
アンボワーズ城を訪れる際には、単に「豪華な王宮」として見るだけでなく、フランスが中世からルネサンスへ向かっていく時代の変化に注目してみると、より楽しめます。
サン=ユベール礼拝堂(Chapelle Saint-Hubert)
アンボワーズ城を代表する美しい建築の一つ。
1493年、シャルル8世の時代に建てられた王家の私的な礼拝堂で、建築様式はフランボワイヤン・ゴシック(後期ゴシック)です。
柔らかく細かな彫刻に適したロワール地方特有の石灰岩「テュフォー(tuffeau)」を用いた繊細な装飾も見どころです。
そして、この小さな礼拝堂に眠っているのがレオナルド・ダ・ヴィンチです。
騎馬塔(Tours cavalière)
アンボワーズ城でぜひ注目してほしいのが、大きな円形の塔です。
シャルル8世は、馬や馬車に乗ったまま城の高台まで上がることのできる巨大な「騎馬塔」を建設しました。
城のテラスは町から約40メートル上にあり、こうした塔によって城下と王宮が結ばれていました。
遠くからアンボワーズ城を眺めたときにも目を引く建築です。
庭園とロワール川の眺め
建物を見学したあとは、ぜひ庭園やテラスを散策してみてください。
眼下にはアンボワーズの町、その向こうにはゆったりと流れるロワール川と緑豊かな風景が広がります。
2025年には「七つの美徳の庭(Jardin des Sept Vertus)」も新しく整備され、城、礼拝堂、街並みを眺められる場所となっています。
アンボワーズ城は、城内を見るだけでなく、「王たちがこの場所からどんな景色を見ていたのだろう」と想像しながら過ごしたいお城です。

4:レオナルド・ダ・ヴィンチとアンボワーズ
アンボワーズを語るうえで欠かせない人物が、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
1516年、フランソワ1世に招かれてフランスへやって来たレオナルドは、アンボワーズ城から数百メートルほど離れたクロ・リュセ城(Château du Clos Lucé)で晩年の3年間を過ごしました。
レオナルドは画家としてだけではなく、建築家、技術者、科学者などさまざまな分野で活動しており、アンボワーズ滞在中もフランソワ1世のもとで仕事を続けました。
1519年5月2日、レオナルドはアンボワーズで生涯を閉じます。
現在、その墓はアンボワーズ城内のサン=ユベール礼拝堂にあります。
そのためアンボワーズでは、
アンボワーズ城 → クロ・リュセ城
という順番で見学するのもおすすめです。
王フランソワ1世と、彼がフランスへ招いたレオナルド・ダ・ヴィンチ。それぞれが暮らした場所を実際に歩くことで、フランス・ルネサンスの歴史がぐっと身近に感じられます。

5:アンボワーズの街も一緒に楽しもう
アンボワーズ城の魅力は、お城だけではありません。
城の麓にはカフェやレストラン、お店が並ぶ旧市街が広がり、コンパクトな町なので徒歩で散策できます。アンボワーズ観光局も、歴史地区は徒歩で回りやすい町として案内しています。
また、アンボワーズ城からクロ・リュセ城までは約500メートル。レオナルド・ダ・ヴィンチの寝室やアトリエなどを見学できるほか、広い庭園には彼の発明をもとにした模型なども設置されています。
時間に余裕があれば、アンボワーズ城だけを見るのではなく、町を歩きながらクロ・リュセまで訪れるのがおすすめ。
「ロワールのお城巡り」というと、次から次へと車でお城を巡るイメージがあります。しかし、アンボワーズでは一つの町に滞在して、王宮、ルネサンス、レオナルド・ダ・ヴィンチの足跡を歩いて辿る楽しみ方ができます。
6:アンボワーズ城へのアクセス
トゥールからアンボワーズまで
・鉄道:TERで約20〜30分 トゥール駅からアンボワーズ駅まで直通。
パリモンパリナス駅からアンボワーズまで
・鉄道:TGVで約1時間30分 パリ・モンパルナス駅からでサン=ピエール=デ=コール駅。そこからアンボワーズ方面の列車でアンボワーズ駅へ。
パリオーステルリッツからアンボワーズまで
・鉄道:直通のTER(Rémi Express)で約1時間45分〜2時間。時間帯によってはオルレアン方面で乗り換えが必要。列車の本数や運行時間は曜日によって異なるため、事前にSNCF Connectで確認しましょう。
アンボワーズ駅からアンボワーズ城まで
・徒歩:約10分。
アンボワーズ城は旧市街の中心にあり、城への入口はPlace Michel DebréからMontée de l’Emir Abd El Kaderを上ったところにあります。
開館時間や料金は季節によって変わるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認するのがおすすめです。
Château Royal d’Amboise
Montée de l’Emir Abd El Kader
37400 Amboise
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