Bonjour à tous !

フランスを代表する美しい古城が点在する「ロワール渓谷」。

今回ご紹介するのは、その中でもひときわ優雅な姿で知られるシュノンソー城(Château de Chenonceau)です。

シェール川の上に架かるように建つ白亜のお城は、ロワールの古城の中でも特に人気の高いお城のひとつ。トゥール観光局では、ヴェルサイユ宮殿に次いでフランスで訪問者の多い城として紹介されています。

そして、シュノンソー城の歴史を語るうえで欠かせないのが、ここに暮らした女性たちです。

フランス国王アンリ2世の愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエ、王妃カトリーヌ・ド・メディシスをはじめ、時代ごとにさまざまな女性たちがこの城を受け継ぎ、建て、飾り、守ってきました。

そのため、シュノンソー城はフランス語で
「Château des Dames(貴婦人たちの城/女性たちの城)」
とも呼ばれています。

華やかな王宮の物語だけでなく、フランス革命、そして二度の世界大戦まで――。

美しい姿の中にフランス史のさまざまな時代を刻んできたシュノンソー城をご紹介します!

目次

  1. シュノンソー城ってどんなお城?
  2. 二人の女性がつくった現在のシュノンソー城
  3. ここは見逃せない!アンボワーズ城の見どころ
  4. お城を彩る美しいフラワーアレンジメント
  5. 美しいギャラリーに残る二つの世界大戦の記憶
  6. 「貴婦人たちの城」と呼ばれる理由
  7. シュノンソー城へのアクセス

1:シュノンソー城ってどんなお城?

シュノンソー城最大の特徴は、何といってもシェール川をまたぐように建つその姿です。

現在の城館の中心部分は、フランソワ一世の財務官だったトマ・ボイエと、妻のカトリーヌ・ブリソネによって1513年から1517年にかけて建設されました。

それ以前、この場所には中世の城塞と水車がありましたが、新しい城を建設する際にその大部分が取り壊されました。

現在も残っているのが、円形のマルク塔(Tour des Marques)です。

12〜13世紀の中世の城の面影を今に伝える、シュノンソー城で最も古い部分です。

私たちが「シュノンソー城」と聞いて思い浮かべる、川の上に長く伸びた建物は後から加えられたもの。

この独特の姿が生まれる背景には、二人の女性がいました。

ディアーヌ・ド・ポワチエとカトリーヌ・ド・メディシスです。

2:二人の女性がつくった現在のシュノンソー城

ディアーヌ・ド・ポワチエ

1535年、シュノンソー城はいったんフランソワ一世の王領となります。

その後、国王アンリ2世はこの城を、王妃カトリーヌ・ド・メディシスではなく、寵愛していた愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエに与えました。

ディアーヌは城の周囲に美しい庭園を整備するとともに、シェール川の向こう岸へ渡るためのを建設します。

実はこの時点では、現在のような川の上の長いギャラリーはまだありません。

まずディアーヌによって「橋」が造られたのです。

カトリーヌ・ド・メディシス

1559年、アンリ2世が馬上槍試合の事故によって亡くなると、状況は大きく変わります。

王妃カトリーヌ・ド・メディシスはディアーヌからシュノンソー城を返還させ、代わりにショーモン=シュル=ロワール城を与えました。

こうしてシュノンソー城の主人となったカトリーヌは、ディアーヌが造った橋の上にギャラリーを建設します。

1576年、建築家フィリベール・ド・ロルムの設計をもとに、ジャン・ビュランによって建設されたギャラリーは、長さ約60メートル、幅約6メートル

18の窓から光が差し込み、白と黒の石を組み合わせた美しい模様の床が広がっています。シュノンソー城を象徴する空間となりました。

カトリーヌはここで華やかな祝宴を開きました。また、現在も城内に残る「Cabinet Vert(緑の書斎)」を執務室として使い、摂政として国政にも携わりました。

現在のシュノンソー城の姿は、いわばディアーヌが橋を架け、カトリーヌがその上にギャラリーを完成させたことで生まれたのです。

左:ディアーヌ・ド・ポワチエ 右:カトリーヌ・ド・メディシス

3:ここは見逃せない!シュノンソー城の見どころ

シェール川を渡るグランド・ギャラリー

シュノンソー城を訪れたら絶対に見ておきたいのが、グランド・ギャラリー(Grande Galerie)です。

外から見るとシェール川を横切る細長い建物ですが、中に入ると、白と黒の床が奥まで続く美しい空間が現れます。

もともとは祝宴や舞踏会に使われていましたが、この場所は後にまったく異なる役割を担うことになります。

それについては後ほどご紹介します。

ディアーヌ・ド・ポワチエの庭園

城の一方に広がるのが、ディアーヌ・ド・ポワチエによって造られた庭園。

幾何学的に整えられた花壇の向こうにシュノンソー城を望むことができ、城と庭園を一緒に眺められる美しい場所です。

カトリーヌ・ド・メディシスの庭園

その反対側には、カトリーヌ・ド・メディシスの庭園があります。

シュノンソーでは建物だけでなく、二人の女性がそれぞれに残した庭園を見比べてみるのもおすすめです。

かつてライバルでもあった二人の女性の名が、現在も庭園として向かい合うように残っているのは、とても興味深いところです。

カトリーヌ・ド・メディシスの庭園
写真:LonganimE / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.5画像ページ → ライセンスページ

マルク塔

現在のルネサンス様式の城が造られる以前からこの場所にあった中世の城塞。

その唯一の主要な遺構がマルク塔(Tour des Marques)です。

周囲のテラスは、かつて堀に囲まれていた中世の城の平面を残しています。

華麗なルネサンス建築だけではなく、シュノンソーがさらに古い歴史の上に築かれていることが分かる場所です。

4:お城を彩る美しいフラワーアレンジメント

シュノンソー城を訪れると、各部屋に飾られた生花のフラワーアレンジメントの美しさにも目を奪われます。

これは単なる展示用の装飾ではありません。

敷地内には専用のアトリエ・フローラル(Atelier Floral)があり、城のために一年を通して花が生けられています。公式案内によると、それぞれの部屋のためのアレンジメントが日々用意されています。

フラワーシーンを手がけるのは、MOF(Meilleur Ouvrier de France/フランス国家最優秀職人章)の称号を持つジャン=フランソワ・ブシェとそのチーム。

季節や部屋の雰囲気に合わせて作品が変わるため、同じシュノンソー城を訪れても、その時々で違った表情を楽しむことができます。2026年のクリスマス装飾も、彼と城のフラワー工房のチームが担当しています。 (Val de Loire)

特にクリスマスシーズンの装飾はとても華やか。

歴史的な家具やタペストリー、絵画と生花が一緒になって空間を作り上げているのも、シュノンソー城ならではの楽しみです。

5:美しいギャラリーに残る二つの世界大戦の記憶

優雅なシュノンソー城ですが、20世紀になると戦争の歴史とも深く関わることになります。

第一次世界大戦では病院に

1914年に第一次世界大戦が始まると、当時の所有者だったチョコレート製造業で知られるムニエ家(Menier)は、シュノンソー城を軍の病院として提供します。

ガストン・ムニエが費用を負担して城内に病院が設置され、シモーヌ・ムニエが看護責任者として運営に携わりました。

戦争が終わるまでに、2,000人を超える負傷兵がここで治療を受けたとされています。

現在では舞踏会を想像させる華やかなギャラリーが、当時は傷ついた兵士たちを受け入れる場所となっていたのです。

第二次世界大戦では「自由区域」への道に

そして第二次世界大戦では、シュノンソー城の特殊な立地が重要な意味を持つことになります。

当時、シェール川はドイツ占領区域と自由区域を分ける境界線の一部となっていました。

城の入口がある右岸は占領区域。

しかし、川を横切るグランド・ギャラリーの反対側の扉は左岸へと続いていました。

そのため、このギャラリーを通って、レジスタンスなどが人々を自由区域へ逃がすことができたのです。

ディアーヌ・ド・ポワチエが川に橋を架け、カトリーヌ・ド・メディシスがその上に華やかなギャラリーを造った16世紀。

その建築が約350年後、人々の命を救うための道として使われることになりました。

シュノンソー城は、単に「美しいお城」だけではなく、フランスの歴史そのものを感じられる場所でもあります。

6:「貴婦人たちの城」と呼ばれる理由

シュノンソー城に関わった女性は、ディアーヌとカトリーヌだけではありません。

現在の城を築いたカトリーヌ・ブリソネ

夫アンリ3世の死後、この城で喪に服したルイーズ・ド・ロレーヌ

18世紀には、モンテスキューやヴォルテール、ジャン=ジャック・ルソーら知識人を迎え、サロンを開いたルイーズ・デュパン

ルイーズ・デュパンはフランス革命期にも城を守ることに尽力しました。

19世紀には大規模な修復を行ったマルグリット・プルーズ、20世紀には第一次世界大戦中の病院運営に携わったシモーヌ・ムニエへと、その歴史は続いていきます。

城を建てる、庭を造る、政治の舞台とする、文化人を集める、修復する、そして戦争から人々を救う。

時代ごとに女性たちが異なる形でこの城に関わってきたことこそ、シュノンソーが「Château des Dames」と呼ばれる理由です。

華やかな王妃と愛妾の物語だけで終わらず、「この城を次の時代へ残した女性は誰だったのか」と考えながら巡ってみると、シュノンソー城がさらに面白く見えてきます。

19世紀末のシュノンソー城 マルグリット・プルーズの頃
写真:Daniel Freuler / Wikimedia Commons(Public Domain)→ 画像ページ

7:シュノンソー城へのアクセス

シュノンソー城は、ロワールの古城の中でも鉄道で訪れやすいお城です。

トゥールからシュノンソーまで

・鉄道:TERで約25分 トゥール駅からシュノンソー(Chenonceaux)駅まで直通。

パリからシュノンソーまで

・鉄道:TGV+TERで約1時間30分 パリ・モンパルナス駅からサン=ピエール=デ=コール駅。そこからシュノンソー方面のTERでシュノンソー駅へ。

シュノンソー駅からシュノンソー城まで

・徒歩:約5分。駅からシュノンソー城のチケット売り場までは約400メートル

車がなくても訪れやすいので、フランス留学中にロワールの古城を巡ってみたい方にもおすすめです。開館時間や料金は季節によって変わるため、訪問前には公式サイトで最新情報を確認してくださいね。

Château de Chenonceau
37150 Chenonceaux, France

シュノンソー城公式サイト

トゥール観光協会

France et moi の留学カウンセリングでは、
皆さんのお話を伺いながら希望に合う学校をご紹介しています。

以下のリンクからメール相談、見積もり依頼、
留学カウンセリング予約ができます。

まずはお気軽にご相談ください!